導入事例
画像による計測と位置決め
自社開発の画像処理ソフトがワークの寸法と角度を計測し、四軸座標をアームへ渡します。
最初に確認したこと
お客様の課題は精度ではなく速度でした。作業者がノギスで一つずつ測定し、その数値をシステムに入力する——誤りが入り込む機会が二度あります。
ワークを拝見したうえでビジョンが成立すると判断しました。根拠は具体的で、背景とのコントラストが十分に確保でき、置き方の姿勢のばらつきが一定範囲に収まっていたことです。この二つが成立しない場合、ビジョン方式は照明とパラメータの調整が際限なく続くため、見送りをご提案していたはずです。
ハードウェア構成
Basler ace 2 シリーズの GigE 産業用カメラ(モノクロセンサ)に C マウント単焦点レンズを組み合わせ、穴あきアルミブラケットで EPSON のスカラロボットの脇に固定し、定点俯瞰で撮影します。
ワークは暗いマット仕上げの背板の上に置きます。これは偶然ではありません。高いコントラストがワークの輪郭を画像上で明確に分離し、画像計測が安定するかどうかを最初に左右する要素です。
ソフトウェアは自社開発です
映像に映っている計測アプリケーションは当社が開発したものです。macOS 上で動作し、TCP で装置と通信します。
映像で確認できる機能は次のとおりです。
- 面積フィルタ 面積の下限と上限を設定し、ノイズと対象外の物体を除外します
- 寸法計測 検出したワークにミリ単位で寸法を表示します。映像では 4.3 mm、2.7 mm、2.3 mm と表示されています
- 角度出力 ワークの回転角を算出します。映像では 9.03 度です
- 四軸座標 X、Y、Z、U の四項目。U はスカラロボットの回転軸で、この値がなければ斜めに置かれたワークに対してアームが何度回せばよいか分かりません
- パラメータの保存と読み込み、画面の回転とミラー、計測データの記録
自社で開発する理由
市販の画像処理パッケージの多くは閉じています。顧客の既存ラインに合わせようとするとき、障害になるのはアルゴリズムではなく、ライセンス形態と拡張性です。
自社で書けば、計測ロジックも通信プロトコルもデータ形式も現場に合わせられます。機械学習による判定が有効な箇所には、そのまま組み込めます。
詳細について
計測精度、タクトタイム、対応可能なワークの範囲は、実際のワークをもとに評価してご提示します。